こんにちは、サバイバル生活一週間目の俺です。
気付けば見知らぬ場所にいて、しかも何故だか鳥になっていた俺。
辺りに生息している巨大かつ凶暴な生き物から身を守りながら必死に生きてたら、変なピエロみたいなやつに取っ捕まりました。
電撃に特化した進化だの新しいタイプの進化だの、俺を見ながら一人で興奮してるみたいだけど、人間が鳥になるのは別に進化じゃねーだろと思うのは俺だけなのか?
つか鳥籠に閉じ込めるのやめてくんないかな。檻ではなく鳥籠ってなんか変態くさいよ。いや、まぁ今は鳥だけどさ!
(しかしこれからどうしたらいいんだろ俺)
最初は鳥籠の中で揺られながらも周りを観察していたが、入り組んだ構造の建物に入ってからは諦めた。そこまで記憶力良くないんだよ俺は。
でもずっと捕まってるわけにはいかないよなー。なんたって鳥籠だし。俺の人権返せ。
それにしてもこのピエロの靴音、超耳障り! いい加減にしないと電撃喰らわせるからな!
…って、そうだ。俺、鳥の姿になってから電撃使えるんだった。
電撃使えば逃げられるんじゃね?
でもこういうのってタイミングが大事だよな。チャンスを狙わないと…。
俺が悩んでいる間もピエロはブッブッブッと喧しく靴音をたてながら進み、やがてでっかいプールがある部屋へと辿り着いた。
――そこにいたのは鶏みたいな奴とゴリラみたいな奴らでした。
「シキ様! 新しい進化の形が出現しました! ご覧下さい!」
ちょ、この『シキ様』とか呼ばれた奴は何で頭に舵輪が刺さってんの!? しかも両足は剣だし! ゴリラに至っては“みたい”じゃなくて本物のゴリラだよね!?
驚愕する俺をよそに、漫才もどきを始める三人。
「え? ギター!?」
「鳥だろどーみても!!」
「「「ハイ!」」」
……何だろう、ものすごくイラッとした。
誰がギターだこの鶏冠ヤロー。どんだけ目ぇ悪いんだよ。電撃喰らわすぞ!
その時、床に置かれた時に鍵が外れでもしていたのか、キィ…とかすかに軋んだ音を立てて開いた鳥籠の扉。なんて素敵なタイミング!
これは神様にも後押しされているに違いない。
俺は鳥籠から脱出すると、漫才を終えてポーズを決めている馬鹿三人に向かって、遠慮なく電撃を喰らわせてやった。
「クオオオオォッ!(喰らえ誘拐犯もとい三馬鹿トリオーッ!)」
「「「ギャーッ!!」」」
うむ、見事なり俺の電撃。
自画自賛していると、鶏冠ヤローに頭をぐぐっと捕まれた。
「こん……ちくしょおが!!」
「クォッ!?」
ブ ン 投 げ ら れ ま し た 。
床に叩き付けられて転がる俺。
痛い、マジで痛い。ちくしょーこの鶏め!
「ちょっと!!」
ふと軽い足音がしたかと思うと、俺を庇うように立ちはだかった水着姿の女の子。
馬鹿三人に隠れて今まで見えなかったから突然現れた彼女にビックリしたけれど、この子の顔どこかで見たような…?という既視感に襲われてそれどころじゃなくなった。
(この顔って…うーん?)
こんなスタイル抜群な美少女、一度でも会ったら絶対忘れないと思う。しかし見たことあるような気はするのに全く記憶に掠らなかった。やっぱり気のせいなのかなー?
そんな風に俺がうんうんと悩む傍らで進んでいく会話。
それはIQだのSIQだの進化だの、なんだか信じられないような内容だらけで、俺は混乱するはめになった。
……とりあえず動物虐待やめろよなお前ら。